いきあたりバタリオン

知るは楽しみ也。 無知であることは恐ろしい。 とか思ってます。

昭和天皇発言メモと靖国神社(転載多いから長文)

久しぶりにぞくぞくした。
新しい歴史的事実を目にした時の高揚感である。

昭和天皇の晩年のコメントを、当時の宮内庁長官の富田朝彦氏(故人)が
書き残していたのだが、そのメモの内容が明らかになった。
昨日の日経新聞朝刊1面スクープで始まった報道は、
夕方までに日本中を席巻した。

メモ内容は以下の通り。(毎日新聞サイトから転載)
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私は 或る時に、A級が合祀されその上 松岡、白取までもが、

筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが

松平の子の今の宮司がどう考えたのか 易々と

松平は 平和に強い考があったと思うのに 親の心子知らずと思っている

だから 私あれ以来参拝していない それが私の心だ(原文のまま)

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[内容の解説(これも毎日新聞サイトから転載)]
 「松岡」はA級戦犯で合祀されている日独伊三国同盟を締結した松岡洋右元外相(東京裁判の公判中に死亡)、「白取」は白鳥敏夫元駐伊大使(同裁判で終身禁固刑、収監中に死亡)、「筑波」は66年に旧厚生省からA級戦犯の祭神名票を受け取りながら合祀しなかった筑波藤麿・靖国神社宮司(故人)とみられる。

 メモはさらに「松平の子の今の宮司がどう考えたのか」「松平は 平和に強い考があったと思うのに」などとしたうえで、「だから 私(は)あれ以来参拝していない それが私の心だ」と記している。「松平」は終戦直後の最後の宮内相、松平慶民氏(故人)。「松平の子」は、長男で78年10月ににA級戦犯を合祀した当時の靖国神社宮司、松平永芳氏(同)とみられる。昭和天皇は松平永芳氏が決断した合祀に不満だったことを示している。

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宮内庁長官は、天皇の普段の発言を十分聞くことのできる立場であり、
この発言だけでなく多くのメモを残していることから、
資料としての信憑性は高い。

日本は天皇親政ではなく立憲君主国であるから、
天皇は政治を左右するような公式コメントを出すことはない。
正直、「当たり障りの無いもの」といい切ってしまってもよいと思う。
でも戦前・戦中・戦後を、「現人神→象徴」となって生き抜いた昭和天皇が
非公式に側近に残した発言・・・
その内容は、確かに歴史の肉声といってよい。


昨日このニュースを聞いたときのワタクシ的感想
   ・・・「こりゃあ、明日の朝刊各紙の社説が楽しみだ。」
我ながら興味の方向性が変だと思わなくもないが、
社説ウォッチングをやっててよかった!と思ったのも事実である。


そして今朝の各紙の社説での主張を一部抜粋すると以下の通り。
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産経: 
 富田氏のメモは学問的な評価にとどめるべきであり、
 A級戦犯分祀の是非論に利用すべきではない。まして、首相の靖国参拝をめぐる
 是非論と安易に結びつけるようなことがあってはなるまい。
 小泉純一郎首相は富田氏のメモに左右されず、国民を代表して堂々と
 靖国神社に参拝してほしい。

朝日:
 A級戦犯が合祀されているところに参拝すれば、平和国家として生まれ変わった
 戦後の歩みを否定することになる。昭和天皇はそう考えたのだろう。
 戦没者に哀悼の意を示そうにも、いまの靖国神社ではそれはかなわない。

読売:
 昭和天皇は、一貫して戦争を回避することを望みながら、立憲君主としての立場を
 踏まえて積極的な発言は控えたとされる。その立場から、戦争責任を問われるべき
 指導者の合祀に納得できなかったということだろうか。
 富田メモは、「A級戦犯」分祀論議にも一石を投じることになろう。

毎日:
 (靖国神社が)戦没者に感謝と哀悼の誠をささげるための施設として議論の余地が
 ないなら、なぜ内外で大きな論議を呼ぶのだろうか。その最大の原因は、A級戦犯
 合祀にある。その事実を冷静に考えるならば、いまの状態で首相が靖国神社に
 参拝するのは、やはり適切ではない。

日経:
 戦没者に対して深い哀悼と感謝の念をささげることは当然のことであり、その点に
 限って言えば、靖国参拝も否定されるべきことではない。しかし、A級戦犯合祀は
 内外の理解を得るのが難しいのも事実である。中国、韓国の反発だけでなく、
 米欧の世論も厳しい目を向けていることを忘れてはならない。
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まぁほぼ予想通りの論調だなぁと言える。

読んでて楽しいのは相変わらず産経で、
 「メモだけでは、昭和天皇が14人全員のA級戦犯合祀に不快感を示していた
 とまでは読み取れない」 
とステキな主張。そう読めなくもないけど、いくらなんでも隅をつつきすぎだろ。
人、それをこじつけと言う。

合祀擁護派は旗色が悪くなった・・・かと思ったら、
小泉首相は「心の問題」と意に介さない様子。
このおヒトに対しては、国民は最早バカ負け気味。
退任まで我慢するしかないのかなぁ?
また終戦記念日が来るのだが、余計な問題起こさないことを望む。


少なくとも、今回のメモが、
「昭和天皇が靖国神社参拝をやめたのは、A級戦犯が合祀されたから」
という説を裏付ける有力な証拠になりえたのは間違いない。

となると、
A級戦犯を分祀すれば丸く治まるのか?という問題がある。

分祀についての各紙の主張はこんな感じか。
 産経・・・明確に分祀反対。新たな追悼施設も不要。堂々と靖国神社へ。
 読売・・・分祀も議論すべきだが、靖国神社は教義上分祀不可能として拒否している。
      靖国神社には、宗教法人としての自由な宗教活動を認め、他方で、国立追悼
      施設の建立、あるいは千鳥ヶ淵戦没者墓苑の拡充などの方法を考えていく。
      「靖国問題」の解決には、そうした選択肢しかないのではないか。
 その他・・・分祀すべきだが、(以下は読売とほぼ同じ)

産経と自民党靖国擁護派がどれだけ頑張れるかを注目したいが、
次期首相がほぼ確実な晋三君は強硬な擁護派のようなので、
今の状態が当分続くかもしれんなぁ。
そのまた次の首相あたりに期待しようか。 気の長い話だなぁ。
待ってる間に国際関係が更に悪化する可能性もあるしなぁ。
中国とはまだしも、韓国とは紛争の1回でもやらかしそうな気がするんだよなぁ。
ま、政治家は変節するものだしね。 産経は変節しそうにないが。



とにかく、
今後、戦後昭和史の史料となる文書は続々と出てくるものと思われる。
正直、楽しみにしているのだ。 歴史好きのハシクレとしては。

中学高校の授業では昭和史、ましてや戦後史なんかやらない。
そこまで手が回らないと言った方が正直なところだろうか。
とは言え、いざ試験の時にこの範囲が出題されたら運が悪かった・・・では済まないから
勉強したければ自分でやるしかない。 ふんばれ受験生、一度は通る道だ。
ただ、受験参考書の説明って暗記のための歴史的事実を羅列しているのがほとんどで、
読んでて楽しくないのよ。 
そりゃそうだ。 歴史を学ぶ楽しさは、事件や事象の裏にある人の行動や主張、そして
人と人とのつながりを見ることにより、過去と現在がつながってることを実感できるところに
あるんだから。
その点では今回の昭和天皇発言から、多くの人が「生きた歴史」を感じることができたの
ではないだろうか。

うわぁ、この文章書いててだんだんハイになってきたぞ。

冒頭にも書いたが、知らなかった歴史知識を得るときのワタクシは、目をらんらんと輝かす。
高校時代の世界史や大学の東洋史概説あたりの授業中は、毎回この気分であった。
傍からはさぞかしヘンな奴に見えたろうなぁ。
でもね、心底楽しいことしてる時って、周りのことなんて知ったこっちゃないのである。

テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

  1. 2006/07/22(土) 03:22:53|
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